事例 海外赴任者の給与負担に関する日本の税務上の処理(2023.8.21)

【ご相談内容】

弊社では海外現地法人へ日本人を派遣しております。

現在、当該日本人の給与の負担について、日本法人と海外現地法人の両法人で負担しています。

本来であれば、(役務(業務)は海外現地法人のために行われるため)、全額を海外現地法人の負担にするべきですが、経営状態が理由で本社がほぼ負担しているのが実態です。

その場合、留守宅手当となり日本の税務上、経費として損金にはならないのでしょうか。


【ご回答】

留守宅手当が一義的に日本親会社の損金にならないということではなく、留守宅手当が日本と海外現地の給与水準の差により生じる差額補填に該当する場合には、損金とすることができます。

また、その他に損金算入が認められる要件として、「出向先の法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため」という要件もあるため、ご相談いただいたケースでは、当該要件に該当する可能性も高く、親会社が出向者の給与や賞与を負担するときには、親会社の損金性が否認される可能性は低いと考えられます。

 

この点、日本親会社が負担している給与が差額補填に該当するか否かは、日本親会社と海外現地法人の負担割合(8:2や7:3)のみで一義的に判断することはできませんが、日本の税務調査においては、一定の客観的資料に基づき、現地の出向者のポジションに基づく給与水準と当該給与水準に基づく差額補填の適正性を調査官へ説明することができるのであれば、その損金性を否認される可能性は低いと考えられます。

 

この質問について詳細を知りたい方はこちらへどうぞ!浜松市の企業様なら相談は無料です。